15.5.題字とレイアウト
題字はレイアウトを制約する
新聞の表札ともいえる題字。とりあえず作ってはみたものの、いざ紙面にポンと配置すると、残りのレイアウトに結構な制約が生じます。
ヘタをすると題字ばかりが目立つ不格好な紙面になることも。
ここでは、題字を置くための一般的な工夫を説明します。
(題字の作り方については別ページで説明しています)
タテ題字のありがちな"失敗"
失敗とまでは言えないかもしれませんが、工夫をしないとただ題字ばかりが目立つ紙面になりがちです。
悪く言えば「シロウトくさい」レイアウトです。
例①トップ見出しが目立たない
ありがちなのが、左図のように題字ばかりが目立ってしまうケース。
左のように、題字と同じ天地(2段)の見出しを置いてしまうケースです。
明らかに題字ばかりが目立って、最も大事なはずのトップの見出しがちっとも目立ちません。
特に定期発行してるような新聞だと、最新号なのか前の号なのかぱっと見で分からない、ということにもなりかねません。
例②題字が大きすぎる
かといって、トップ見出しを大きくしようと題字も大きくすると、やはり題字が目立ちすぎます。
例③ヨコ見出しとタテ見出しのバランスが変
ならば、と思い切って横いっぱいのトップ見出しにしてみると、それなりに目立つトップ見出しにはなります。
ただ、続く縦見出しは残りのタテ領域がさらに少なくなり、小さくなってしまいます。
ヨコとタテの見出しのバランスがかなり変です。
(ちなみに左図のような例が、市販ソフトの「本格的な新聞」サンプルにかつて出ていました。ここまでバランスが悪いものを「本格的」と言うのはさすがに無理があると思います。)
タテ題字の常道--「題字下」とセットに
タテの題字を置く場合は、左図のように題字の下に同じ幅の「何か」を置いて、縦に長い領域を作るのが常道です。
また、2段・3段といった「正段」でなく2段弱あるいは2段+αなど"段半"にすると、見出しとより区別が付きやすいです。
下に配置するのは
・発行日
・発行元(団体名など)
・サイトの案内(urlやQRコード)
・短いコラム(標語や諺の紹介など)
などが考えられます。これらを組み合わせます。
こうした 「題字下」は、一般の新聞では縦長の広告を配置する例が目立ちますが、複数ページの新聞なら
下図左のように紙面メニュー(2面以降の内容案内)を置くこともあります。
また特に配置する素材が無い場合、下図右のように、記事を流してしまう手もあります。
ヨコ題字は両サイドの処理を
一部の一般紙にもあるヨコ題字の場合、レイアウトの制約はありません。
ただ、ヨコいっぱいの題字を作ってしまうと、さすがに目立ちすぎるので一工夫が欲しいところです。
ヨコ題字の場合、左右に何か別の素材を置けば題字が大きくなるすぎるのを防げます。
日付や発行元などを見出しや箱組で置きます。
一般紙の場合は広告や紙面メニューが入ることが多いと思われます。
小さい紙面には「細いヨコ」題字
全12段あるような一般紙と異なり、その半分以下のサイズの新聞を作る場合、題字はタテでもヨコでも無駄に大きくなる傾向があります。
特にヨコ題字の場合、数段しかない紙面で丸々1段分を記事以外で消費してしまうのはもったいないです。
解消法のひとつが、タブロイド紙(夕刊紙)のような細いヨコ題字です。
左図はヨコ題字を天の段間に置いた例。
題字用の天地は1段のほぼ半分です。
これで、トップの見出しも題字も同時にそこそこ目立つバランスになっています。