15.4.「段半」矩形の使い方

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多段組の新聞形式の場合、どうしてもレイアウトが単調になりがちです。
見出しや画像も1段か2段か3段か…と天地サイズのバリエーションが少なくなります。
そこでつい安直に「段半」(食い込み)の画像などを使いたくなりますが、単純に紙面に配置すると読みにくい紙面になります。

新聞では、段半の矩形等を組み合わせて使うレイアウトがいろいろあります。
ここでいくつか紹介します。

写真と見出しを組み合わせる

段半写真の上に見出し

たぶん最もオーソドックスな形。
下図左は、1段半の写真の上に横の2本見出しを置いた例。
下図右は、その2本見出しを1本ずつ上と左に振り分けています。
左図の方が写真は一回り大きくなりますが、その分、記事が収容できるスペースが減ります。

段半写真の下に見出し

これも基本的なパターンです。下図はいずれも2本見出しを縦横に分割したパターン。
縦あるいは横のいずれかが「主」扱いになります。記事の食い込み状態は生じません。
下図右の場合は、主見出しも段半になっています。

写真2枚で説明文をひとつに

段半の写真を縦に積み、合わせて正段にする方法もたまにあります。
幅が揃うならそれぞれに説明文を付けてもいいですが、下図のように2つの説明文を1ブロックにする形もあります。
(このケースでは説明文は下の写真に設定されています)。

変則ですが、上図のような説明文ブロックの位置に、用語解説などの箱組を入れるケースもあります。
💡

写真を縦に積む場合、どちらかにマージンを設定しないと完全にくっついてしまいます。
あえてくっつけるケースもあります。

写真と箱組の組み合わせ

写真と箱組を縦に積んで合わせて正段にする手法です。

リード組と組み合わせる

トップなど大きな扱いの場合に使えるパターン。

リード組との組み合わせは実に多様な形があるので、実際の新聞を見ると参考になると思います。

箱組で「段半」を

箱組では、段間を拡大した形にすれば、中の見出しや画像が、食い込み無しに紙面上での段半の大きさに出来ます。
箱組作成の菜は、単純な罫巻きではなく、いろいろ工夫してみると、紙面の単調さ解消に役立ちます。

いろいろ組み合わせた例

参考までに、一般紙の実際の紙面で、いろんな組み合わせを一気に行っている例を示します。
右端の素材を上から順に見ると、リード組・横見出し・写真・箱組の4素材はすべて正段ではなく、4つ合わせてちょうど8段分になっています。 (箱組は4段よりわずかに小さく、本記より一文字多い13文字組です)。
メーンの2行見出しも、2段より少し大きめです。

(2021年8月19日付 読売新聞大阪本社発行版総合面を参照してだいたい正確に作成。
左側の空白は本来は「社説」が入っています。
本文はプログラム出力した、遠目で日本語に見えるだけの意味不明文です)